電子銃から発射された電子が蛍光物質を塗布した表示面に衝突することで光が放出され、高周波でスキャニングすることで画像を作る。これがブラウン管の原理。電子銃から出る電子を加速するために数万ボルトの高電圧がかけられる。ブラウン管の検査は、検査機器に大きな影響やダメージを与えるこの高電圧や高周波との戦いになる。
電子銃が3本になるカラーブラウン管ならなおさらだ。その上、ブラウン管が製造される生産ラインでは、製造機器の影響を受けてさらに厳しい環境になっている。研究室では正常に機能していても、現場の工場でトラブルが起こる危険性は高いのだ。
共進電機では、白黒テレビの時代からカラーテレビの時代に至るまで、40年間にわたって、松下電器(現パナソニック)のブラウン管の検査ラインの全てを担っている。それを可能にしたのは、高電圧、高周波の環境下での豊富なノウハウの蓄積があったから。そして、国内はもとより、海外の厳しい環境下でさえも、トラブルに対する速やかで的確な対応を積み重ねてきたからに他ならない。